[sylpheed-jp:10086] 「間違っている」と書いた理由

Kazuki IWAMOTO iwm @ maid.org
2006年 11月 27日 (月) 05:34:23 JST


岩本一樹です。

> 「間違っている」と断定していますが、WinPT配布元に問い合わせれば情報が
> でてくるのではないでしょうか。


「間違っている」と書いた理由を説明します。

GNU LGPLについて検討します。
バイナリを配布する場合の記述は第4項にあります。
この記述によるとネットワークで配布するには
「バイナリと同一のソースコードへのアクセスを提供する」
必要があります。

しかし同一のアクセス手段ではソースコードを手に入れることができません。
「問い合わせる」という時点で同一ではなくなっています。

よって「間違っている」と言えます。


GNU LGPLの第3項にはGNU GPLを適用することができると書かれています。
(私は今回の場合、この条項に書かれている条件を満たしていないと考えています。
しかしGNU GPLの適用も可能だという意見もあるかと思いますのでGNU GPLも検討してみます。)


GNU GPLでバイナリを配布する場合の記述は第3項にあります。
3-aの条件を満たしているとは言えません。
3-bではソースコードを入手するための文書をバイナリと一緒に渡すことに
なっています。しかしネットで配布するのに文書を一緒に渡すことは不可能です。
ですから3-bの条件を適用することはできません。
(ネットで配布する場合、3-bは適用できません。)
3-cでは情報を一緒に渡すことになっています。しかしその情報に相当するものは
ありません。

よって「間違っている」と言えます。


3-bの文書(written offer)として、ファイルの類も認められるという
意見もあると思います。しかしそうだとしても、その文書に相当する記述は
ありません。


書かれてもいない、情報として提供されていない「問い合わせる」という行動を
しないといけないのですから、「間違っている」と言えます。



岩本一樹
iwm @ maid.org


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